偏差値とは何か?

偏差値という言葉はよく知られていますが、その意味はあまり知られていません。

具体的な例をとって説明します。

(表1) Aさんのあるテストの成績

表1よりテストの点数が1回目は60点で2回目は68点、平均点は1回目が55点、2回目が70点です。1回目は平均点より上、2回目は平均点より下だったと理解できますが、それ以上のことはわかりません。そこで、それぞれの得点に何人いたかを調べてみると、下の図1のようになりました。

これによると、1回目・2回目のAさんはグラフの真ん中あたりにおり、3回目はAさんの下に8割の人がいることがわかります。このグラフもそうですが、大部分の場合は正規分布という分布のしかたをしていることが統計的に知られています。正規分布とは、図2のように中間部分の人数が大変多く、両端にいくにしたがって減少します。

(図1) Aさんの受けたテストの各回ごとの得点人数分布表

(図2) 正規分布曲線

偏差値とは、この考え方を利用して、いつも平均を50に設定し、その人の得点が平均からどの位置にあるかを客観的に計ろうというものです。

ですから、偏差値50というのは、得点がそのテストのちょうど真ん中だったということになります。ただし、平均から両側へ30程度離れるまでの範囲におおよそすべての得点が入ってしまうので、偏差値0とか偏差値100というのは通常の場合はほとんどありません。

一応の目安として、偏差値50は平均、偏差値60以上なら優秀であると判断します。偏差値70を超えるようなら超エリートということになります。  Aさんの例にもどって考えてみると、1回目が偏差値52、2回目が49となっており、1回目と2回目のできにあまり差がないことがわかりました。ところが、3回目の場合、得点が45点で平均点が26点、偏差値が59と大変成績の良かったことがわかります。

このように偏差値は毎回違うテストを、いつも平均点は50と考え、その尺度で各個人の得点を計り直す方法で、受験勉強では非常に有効な評価の方法だと言われています。

苦手な科目を割り出す

偏差値を使って、苦手な科目を割り出すこともできます。単純に考えて、他の科目と比較して偏差値の低い科目が苦手な科目であると言えるわけですが、各回ごとの偏差値の推移をグラフに表してみると、科目によって様々な傾向があることがわかります。

表2のAさんの場合を見てみましょう。

(表2) Aさんの各回ごとの成績

Aさんの1回目・2回目の成績では国語の偏差値が、3回目の成績では理科の偏差値が一番低いので、苦手な科目だと考えられますが、実は1回ごとの結果だけではその科目の成績状況が正確にはわかりません。そこで、1回目から3回目までの偏差値の推移を折れ線グラフにしたものが図3です。

このグラフから、国語はあまり成績は良くありませんでしたが少しずつ上昇してきていること、逆に理科は下降していることが読み取れます。

つまり、最近のAさんは、国語は大変努力をした結果、苦手とは言えなくなってきていますが、理科では逆に出題分野の変化などで少しずつ歯が立たなくなってきており、理科が最も苦手になってきているということが言えそうです。

このように、偏差値の推移を考慮して、自分にはどの科目の勉強が不足しているのかを的確にとらえ、それに応じた対策をとることが成績向上につながります。

(図3) Aさんの科目ごとの推移